井穴刺絡療法とは

井穴の位置
井穴(せいけつ)とは手足指の爪の生え際にあるツボのことです。刺絡(しらく)とは気と血の流れを改善する目的でツボに鍼を刺して瘀血を点状出血させる療法です。
自律神経と体性神経(知覚神経・運動神経)のバランスを回復させる治療でもあり、別名「自律神経免疫療法」とも言われています。

井穴刺絡は2000年以上も前に書かれた中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」のなかの「素問」「霊枢」に64箇所も大量記載があり、古来から刺絡は救急治療、慢性疾患に頻繁に使用されてきたことがわかっています。
現在、横浜の浅見鉄男医師が約40年の臨床研究をもとにして井穴刺絡療法を確立し、安保・福田理論によって「自律神経免疫療法」として知られるようになりました。

井穴刺絡療法の効果

井穴を刺絡することによって、自律神経(交感神経・副交感神経)に対しては異常亢進を抑制・調整し、末梢の諸器官の働きを改善します。心、肺、血管系の負担を軽減し、体温調節や血圧調整にも効果があります。
体性神経(運動神経・知覚神経)に対しては、末梢循環障害を改善し筋のこり、しびれ、関節痛、神経痛を除去します。

どの井穴を刺激するかが重要で、その井穴が影響する自律神経・内臓がそれぞれあり、多種多様の症状が治癒、改善されます。

井穴の刺激伝導路

図は「21世紀の医学 井穴刺絡学・頭部刺絡学論文集」(浅見鉄男 近代文芸社)より

井穴刺絡のメリット

①とにかく即効性がある。症状によっては4~5時間経過後に良くなる場合、翌日に良くなる場合がある。
②自律神経と体性神経の両方に良影響を及ぼすので自覚症状がない「未病」までも未然に治すことができる。
③薬を飲みたくない、飲めない方にも施術ができ、薬のような副作用がない。

井穴刺絡の適応症状(一部)

・アレルギー性疾患(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎等)
・関節リウマチ
・自律神経失調症、起立性調節障害
・線維筋痛症、慢性疲労症候群
・睡眠障害(不眠症)
・便秘(痙攣性便秘、弛緩性便秘)、下痢、過敏性腸症候群
・婦人科系疾患(更年期障害、月経障害、妊娠悪阻(つわり)等)
・高血圧症、低血圧症
・心症(息切れ、動悸、不整脈)、狭心症
・腎炎、膀胱炎、過活動膀胱、前立腺肥大
・眼精疲労(首、肩こり、手のしびれ、眼の痛み)
・緊張型頭痛、片頭痛
・肩関節周囲炎(五十肩、四十肩)
・頚腕症候群(肩こりを含む)、胸郭出口症候群、腱鞘炎
・急性腰痛(ぎっくり腰)、慢性腰痛(脊柱管狭窄症を含む)
・神経痛(顔面神経痛、三叉神経痛、坐骨神経痛等)
・風邪(咽頭痛、

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